交通事故時の積極損害とは?
人身事故によって発生した積極損害については、算出も割りと簡単です。積極損害については、将来出費することが確実な金額についても請求できますが、加害者がすでに支払っている金額については当然差し引かなければいけません。
以下に積極損害を説明します。
■救護費
事故発生直後にかかる費用で、救助捜索費、事故現場での応急措置費用、病院までの救急搬送費などのために要した費用のことです。
■治療費
診察料、検査料、入院料など治療にかかった費用のことです。この費用には入院中の食費も含まれます。
■入院特別室料
一般の室料の多くは入院料に含まれます。しかし、治療の必要性から特別室(個室)を使用したり特別室しか空室がないときなどは、必要経費として特別室料を積極損害に含めて請求できます
■入院雑費
入院によって掛かった諸雑費も請求できます。具体的には、洗面具などの日常雑貨品費、乳製品や果物などの栄養補給費、電話代、切手代などの通信費、新聞代・テレビ視聴費などの文化費、家族の通院交通費などです。
細かい計算は面倒になるため1日につき1300~1500円(自賠責基準・任意基準では1100円)として一括して支払われることになっています。
■付添看護料
付添看護については、看護師などを雇った場合は実費を請求できます。親族が付き添った場合は、1日につき一定額の5000~6500円(自賠責基準4100円、任意基準4100円)が請求できます。
■通院交通費(転院費・退院費含む)
電車、バス、必要なときのタクシー代などの交通費は実費を請求できます。これには転院費や退院費も含まれます。
■通院付添費
怪我の状態により被害者が1人で通院することが困難で、付添を頼んだ場合は、1日につき3000~4000円(自賠責基準・任意基準2050円)を請求できます。
■通院雑費
通院中の雑費も請求できますのでこまめに領収書を取っておきましょう。
■医師・看護師への謝礼
社会通念に照らして常識的な範囲の金額であれば、積極損害と認められる場合もあります。
■温泉治療費
治療のため、医師の指示により温泉治療を行った場合は請求できます。
■マッサージなどの施術費
医師の指示があったとき、または、医師などが治療上の効果を認めたときは、マッサージ、鍼灸などの費用についても請求できます。
■将来の治療費
将来的に支出が確実な治療費は請求できます。ただし、医師の診断書が必要となります。
■子供の委託料など
治療などのために子供を知人や保育施設に預けた場合に掛かった費用を請求できます。>
■家政婦などの費用
家事や育児のために家政婦などを雇った場合は、その費用を請求できます。
■家庭教師代など
治療のために学校を休んで学習に遅れが生じたため、家庭教師を雇った場合は、その費用を請求できます。
■浪人や留年などによる費用
事故のために浪人や留年を余儀なくされた場合には、それによって掛かった費用を請求できます。
■義肢などの費用
義足や義歯、車椅子などの費用を請求することが出来ます。事故のためにメガネ(コンタクトレンズを含む)が壊れた場合には、その費用も支弁してもらいます。
■文書料
医師の診断書、交通事故証明書、印鑑証明書などを作成するための費用も請求できます。
■その他
家屋の出入り口、階段、風呂場、トイレなどをバリアフリーにと改造する費用、ベッドやいすなどの備え付けまたは購入費、自動車などの改造費、破損した衣服の購入費、子供の保育費または学習費(被害者の怪我の程度、内容、年齢、家庭の状況などに照らして必要性がみとめられるとき)の実費を請求することが出来ます。