後遺障害等級の特例

交通事故で後遺障害が残った場合の賠償金ですが、一回の事故で複数部分に障害が残ったり、以前の事故で後遺障害の等級が認定されていた部位にさらに後の事故で後遺障害となった場合などの事を説明します。

併合

一つの事故で、たとえば頸椎捻挫と腰椎捻挫が発症して、どちらも後遺障害となって残ると言うことは良く有りますが、このような複数の後遺障害が残った時の等級の決め方に併合というものがあります。

併合の原則

  • 13級に該当する後遺障害が2つ以上の場合、重い方の等級を1級繰り上げます。
  • 8級以上に該当する後遺障害が2つ以上の場合、重い方の等級を2級繰り上げます。
  • 5級以上に該当する後遺障害が2つ以上の場合、重い方の等級を3級くりあげます。

たとえば、頸椎捻挫で12級一つで、さらに腰椎捻挫で12級の後遺障害等級になった場合には、併合規定で重い方の等級を1級繰り上げますので、併合11級となります。

仮に後遺障害等級8級と5級とに該当したと言う場合は、併合規定で重い方の等級から2級繰り上げますので併合3級と言うことになります。

仮に後遺障害等級2級と2級とに該当したと言う場合は、併合規定で重い方の等級から3級繰り上げますが、1級より重たい級は有りませんので、併合1級と言うことになります。

ただし、同じ頸椎捻挫や腰椎捻挫でどちらも14級の後遺障害だった場合や片一方が12級となっても併合規定上繰り上がることが有りませんので、14級が何個有っても14級であり、14級と12級の場合でも12級となります。

また、仮にたとえば12級に該当する後遺障害が3つ以上存在していた場合、12級と12級を併合して11級となり、残りの12級と併合11級を併合して併合10級とする事は出来ません。

そのほか、たとえば同一部位に複数の障害として評価されるなど、若干の例外があり、併合の規定が適用されない場合が有ります。


併合による保険金額

併合による保険金額の算定の仕方は、併合前のそれぞれの等級の保険金額を足したものと、併合後の等級の保険金額を比較して少ない方の保険金となります。

具体的には、9級と13級の併合では、9級の保険金が616万円で13級の保険金が139万円ですが、これを足すと755万円となり、8級の保険金の819万円と比較すると、少ない方の755万円が支払われます。

相当

「各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であって、各等級の後遺障害に相当するものは,当該等級の後遺障害とする」と施行令別表備考6に規定されています。

加重

既に後遺障害等級を持っている人が、さらに交通事故により同一部位にキズを負ったため、従前の後遺障害等級より程度が酷くなる事が有りますが、これを加重として扱います。

賠償金に付いては,加重後適用される等級に見合った保険金から,従前の等級に見合う保険金を差し引いて支払われます。

たとえば、以前首のむち打ちで14級だった人が、また交通事故に遭って、今度は後遺障害等級が12級となった場合は、12級の保険金224万円から、従前の等級14級の保険金の75万円を差し引いて149万円が支払われます

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