NPO法人設立のための準備 組織と運営

このページではNPO法人設立のための準備について説明しています。

会員の種類

NPO法人を作るにあたって、どんな会員の種類を置いたらいいのか迷う場合があります。今までは単に「会員」でよかったのですが、法人化後は総会という制度が義務づけられますので、それにどのように対応したらよいか考えていかなければいけません。 会員種別の設定方法には、大きく分けて次の3通りの方法が考えられます。

全員が社員

全ての会員が、平等に法人の運営に参画する最も民主的な方法です。この場合、全員が総会に出席する権利を持っています。誰でも入会すれば総会での議決権をもてるので、NPO法人の規模が拡大化すると、総会が荒れたり、混乱したりする危険も出てきます。

社員と非社員

法人の運営に参画する「正社員」の他、法人の運営には参加しないが、法人の活動を資金的に援助し、総会には参加することができない「賛助会員」を設けます。最も普及しているパターンがこの方式です。

3種類以上の会員種別

法人の運営に参画する正社員の他に、法人の運営には参加しないが、法人が行う各種活動に参加する会員や、資金面の援助だけを行う会員など複数の会員種別を設けることも可能です。

社員や理事の資格制限について

NPO法人は、広く門戸を開放することが前提となっていますので、運営に参画する社員の資格制限を設ける事を、厳しく制限しています。具体的には、下記のような場合は資格制限と考えられています。
ただし、法人の性格上、資格制限が妥当と認められる場合もあります。たとえば、身体障害者の団体などは、身体障害者にやさしい街づくりなどを推進する活動が中心であり、健常者主体で法人運営に当たることは活動の趣旨に合いません。このような団体の場合、健常者を全面的に排除することはあまり好ましくありませんが、身体障害者主体で運営できるような組織規定を設けることは認められます。
今後の行政の判断に注目することも大切です。

制限の種類 内           容
入会制限 技術資格の取得や活動年数を正会員(社員)の条件とし、それ以外の人を賛助会員とする場合。
議決権に格差 総会議決の際、一般の者1票、資格所持者2票とする場合。
理事の定数に制限 理事の過半数を学識者、資格所持者、活動実績の豊富な者などとする場合
理事長の資格に制限
理事会において資格所持者や理事として所定の年数を経た者の中から選出する場合。
入会するのに推薦等 入会するには現会員の推薦が必要であるとか、理事会の承認の必要がある等とする場合。

入会金と会費について

法人運営の観点から重要な収入源としてこれらの金額を決めることになりますが、金額が高すぎると実質的な入会制限とみなされる恐れがあります。
では、どれぐらいの金額が妥当なのか?
既に認証されているNPO法人を例に見てみると、入会金、年会費とも1000円から5000円が多いです。年会費や入会金の額が10万円を越えるような場合は、それに見合ったサービスの提供(メリット)がないと、入会制限とみなされる危険性が大きくなります。 なお、会費を一口(年間)1000円とし、何口でも申込できるようになっているケースもありますが、この場合、申込口数によって、総会の議決権に差をつけることはできません。

理事会の権限と総会の権限について

法人運営の執行部は理事会です。全員参加の総会で事業活動を細かいところまで決定していくことも悪くはありませんが、今後活動への参加者が増加し、その一方で機能的な活動展開を行うことを想定すると、物事をすべて総会を開催して決定することは事実上困難になりますので、理事会の権限を強めることをお勧めします。すくなくとも、事務局の組織や運営は、理事会で決定し、総会に報告することが望ましいと考えられます。理事会もしくは総会で、決定すべき主な事項は下記表のとおりです。

項   目
理事会
決定事項
総会決定
事項
備   考
定款の変更 法律に規定
解散及び合併 法律に規定
事業計画、収支予算の決定
事業報告及び収支決算 総会でも可
理事の選任、解任、職務、報酬などの決定 監事は総会で決定 総会でも可
入会金、会費の額 総会でも可
借入金等義務の負担、権利放棄の決定 総会でも可
事務局の組織、運営についての決定 総会でも可
総会に付議する事項について

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